長年の総入れ歯でお悩みの方へ。インプラントで固定する入れ歯「オーバーデンチャー」について

■長年の入れ歯、こんなお悩みはありませんか?

長年、総入れ歯をお使いの方の中には、こんなふうに感じている方がいらっしゃるかもしれません。

  • 下あごの入れ歯がガタガタして、食事のたびに気になる
  • 硬いものが噛みにくくて、好きなものを我慢している
  • 話したり笑ったりした時に、入れ歯が外れそうで心配
  • 歯ぐきに当たって痛いことがある

合わない入れ歯を使い続けるのは、食事の楽しみが減るだけでなく、おしゃべりも楽しめなくなってしまいます。
でも、「もう長年使っているから」と、あきらめる必要はありません。 今の歯科医療は進歩していますから、たとえ長い間総入れ歯をお使いで、あごの骨が痩せてしまった方でも、またしっかり噛めるようになることを目指せる方法があります。

今回は、その方法の一つ「インプラントオーバーデンチャー」について、詳しくご説明します。

■インプラントで固定する入れ歯とは?

インプラントと聞くと、大変な手術を想像したり、「骨が少ないと無理なのでは?」と心配になったりするかもしれません。
ですが、「インプラントオーバーデンチャー」は、比較的少ない本数(下あごの場合、2本から4本)のインプラントをあごの骨に埋め込んで、入れ歯のガタつきを抑えるための治療法です。
すべての歯をインプラントにする大がかりな治療とは違い、体へのご負担も、費用も、抑えやすくなっています。 治療の後は、入れ歯がインプラントで支えられるため、これまでのようなガタつきが少なくなることが期待できます。年齢や骨の状態を理由に、しっかり噛むことをあきらめる必要はないかもしれません。

「インプラントオーバーデンチャー」の仕組み

一言でいえば、「少ない本数のインプラントで、あごの骨と入れ歯を固定する、取り外し式の入れ歯」のことです。

インプラントとは?

チタンという、体によくなじみやすい性質の金属でできた「人工の歯の根っこ」のことです。これをあごの骨に埋め込んで、入れ歯の土台にします。

オーバーデンチャーとは?

そのインプラントという土台の上にかぶせて使う入れ歯のことです。
総入れ歯は、歯ぐきの上に乗っているだけなので、どうしてもガタついたり、はずれたりしやすくなります。 一方、インプラントオーバーデンチャーは、あごの骨に埋まったインプラントが強力な支えになります。

入れ歯とインプラントにそれぞれ「ロケーター」というボタンなような特殊な留め具を取り付け、「カチッ」と固定します。これによって、入れ歯の安定性が向上することが期待できます。 このロケーターは、入れ歯をしっかり固定してくれるのに、ご自身での取り外しはとても簡単で、毎日のお手入れがしやすいという長所もあります。

■「総入れ歯」と「インプラントで固定する入れ歯・インプラントオーバーデンチャー」の違い

総入れ歯インプラントオーバーデンチャー
噛む力ご自身の歯と比べて弱い傾向にあります。総入れ歯よりもしっかりと噛めます。
食事の味・感覚上あごを広く覆うため、味や温度を感じにくいことがあります。上あごを覆う部分を小さくできる場合があり、食べ物の味や温度が分かりやすくなります。
歯ぐきの痛み噛む力が直接歯ぐきにかかるため、痛みがでることがあります。インプラントが力を支えるため、歯ぐきへの負担が減り、痛みが出にくいです。
お手入れ取り外して洗うので、比較的かんたんです。取り外して洗います。インプラント周りのお手入れも必要ですが、ご自身で簡単にできます。

■知っておきたいメリットとデメリット

どんな治療法にも、良い点と、始める前に知っておいていただきたい点があります。あなたに合った方法を選ぶための参考にしてください。

【メリット】

•食事がしやすくなる

しっかり噛めるようになることで、お肉など、これまで食べにくかったものが食べやすくなる可能性があります。ご家族と同じものを美味しく食べられるようになるなど、食生活の改善が期待できます。

•おしゃべりを楽しめる

入れ歯が外れる心配が少なくなるので、人前で話したり、大きな口で笑ったりすることも気になりにくくなります。カラオケなどの趣味も、思いきり楽しめるようになることが期待できます。

・歯ぐきの痛みが軽減される

入れ歯がインプラントによって固定されるため、歯ぐきへの圧迫や痛みが軽減される傾向にあります。

•体への負担が比較的少ない手術

下あごであれば、通常2本(場合により4本)と少ないインプラントで治療ができる場合があります。すべての歯をインプラントにする治療に比べて、手術時間も短く、体へのご負担を軽くすることができます。

•より自然な使い心地と見た目

入れ歯を小さく作れる場合があり、お口の中の違和感が少なくなることが期待できます。また、しっかり噛むことでお口の周りの筋肉が保たれ、表情が豊かになることも期待できます。

• お手入れが簡単で衛生的

ご自身で入れ歯を取り外して、きれいに洗うことができます。固定式のインプラントと比べてお掃除がしやすく、清潔な状態を保ちやすいのも嬉しい点です。

【注意をしないといけないこと】

•外科手術が必要

インプラントをあごの骨に埋め込むための手術が必要です。手術時間は比較的短く、その日のうちにお帰りになれることがほとんどです。麻酔をしっかり使い、痛みや安全に十分配慮して行います。 ※主なリスクや副作用として、術後の痛み、腫れ、出血、感染、インプラントの脱落、神経の損傷(しびれなど)の可能性があります。

•健康保険が使えない自由診療

インプラント治療は健康保険の適用外となります。費用については下記をご参照ください。分割でのお支払いなどもご相談いただけます。

•標準的な費用について

〇インプラントオーバーデンチャー(下顎インプラント2本と金属床の場合):約110万円(税込)(検査・診断料、インプラント埋入、上部構造の費用を含む)
〇費用は、お口の状態や使用する材料によって変動する場合があります。カウンセリングの際に詳しくご説明します。

•一定の治療期間がかかる

インプラントを埋め込んでから、骨としっかり結合するまでに数ヶ月かかります。その間は、仮の入れ歯をお使いいただきます。

•治療後の定期的な検診がとても大切

快適な状態を長持ちさせるため、ご自宅でのお手入れと、歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。検診では、インプラントの周りの清掃状態、噛み合わせの確認、留め具の調整などを行います。

•部品交換が必要になることがある

留め具のゴムの部分は消耗品のため、すり減ってきたら状態に合わせて交換が必要になります。

■食べる喜びを、もう一度。

今回は、長年の総入れ歯のお悩みを解決するための選択肢、「インプラントオーバーデンチャー」についてお話ししました。
ご高齢の方や、あごの骨が少なくなっている方でも、しっかり噛めるようになることを目指すことはできます。
「総入れ歯だからしょうがない」とあきらめてしまう前に、ぜひ一度、私たちにご相談ください。入れ歯のお悩みは、ご本人にしか分からない、とても大切な問題です。私たちは、お一人おひとりのお気持ちに寄り添いながら、あなたに合った、一番良い方法を一緒に探していきたいと思っています。
当院では、この治療に関する無料相談も行っています。「まずは話だけ聞いてみたい」「自分に合うか知りたい」というだけでも、もちろん大歓迎です。
どうぞ、お気軽にご連絡ください。 あなたが再び、心からの笑顔で毎日を送れるように、スタッフみんなでお手伝いさせていただきます。

■当院のオーバーデンチャー治療症例のご紹介

治療内容下顎へのインプラント2本埋入と、ロケーターを用いたオーバーデンチャーの製作を行いました 。
治療の期間・回数4か月、7回
費用自由診療です。インプラントオーバーデンチャー(下顎インプラント2本と金属床の場合)約110万円(税込、検査・診断、手術、上部構造の費用を含む)です 。
主なリスクや副作用2インプラントを埋入する外科手術が必要です 。定期的な義歯の調整、消耗部品の交換が必要になります。インプラントの定期的なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎のリスクがあります 。

【かねしま歯科クリニック】 電話番号: 098-851-9710  / 住所: 沖縄県那覇市松川3丁目1−20