■歯並びの悪さが遺伝する確率
「親の歯並びが悪いから、子供もきっと悪くなるのでは?」と思ったことはありませんか?実は、歯並びの悪さが遺伝する確率はとても低いのです。
研究によると、歯並びが遺伝的に悪くなる確率はわずか2割程度と言われています。歯並びに影響を与える主な原因は、実は遺伝よりも後天的な癖や生活習慣の方が大きいのです。
■子どもの歯並びのために気をつけるべきこと
お子様の歯並びが気になる方も多いでしょう。歯並びは見た目だけでなく、食事や発音、さらに全身の健康にも大きな影響を与えます。歯並びが悪くなる原因は後天的な要素が大きいため、早いうちから注意が必要です。
・歯並びに影響がある生活習慣の見直し
指しゃぶり
指しゃぶりは乳歯が生え始める時期に見られやすい習慣ですが、これが長引くと前歯が出てくるなど、歯並びが乱れる原因になります。また、上顎の骨の成長を妨げることもあるため、できるだけ早い段階で指しゃぶりをやめさせることが大切です。
爪や唇をかむ
爪をかむ癖や唇をかむ癖は、歯に不自然な圧力をかけ、歯並びがずれたり歪んだりする原因となります。このような癖が見られる場合は、お子様が自分で改善できるように周りでサポートしてあげることが大切です。
舌癖(舌を出す・舌を歯に押し付ける・舌が悪い位置にあるなど)
舌癖とは、舌を歯に押し付ける、舌を前に出してしまうなどの癖です。この癖が続くと、歯が押し出されて歯並びが乱れることがあります。舌の位置が悪いと顎の発育にも影響が出るため、舌の使い方を正しく教えてあげることが重要です。
うつ伏せ寝
うつ伏せ寝は、顔に圧力がかかるため、歯並びに影響を与えることがあります。特に成長中のお子様の場合、顎の発育が偏る原因になることも。寝かせる時はできるだけ仰向けで寝かせるようにしましょう。
頬杖
頬杖をつく癖も歯並びに影響を与えます。片方の顎に圧力がかかり続けると、歯並びが歪んだり、顎の発育に偏りが生じたりすることがあります。頬杖をつかないよう、日常的に注意することが大切です。
口呼吸
口で呼吸を続けていると、顎の成長が十分に進まないことがあります。また、口呼吸は唾液が減って口の中が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まる原因にもなります。鼻呼吸を意識させて、口呼吸を改善することが大切です。
・軟らかいものばかり食べさせない
お子様の食事で、軟らかいものばかりを与えていませんか?おかゆや柔らかいパン、スープなどは食べやすいですが、歯や顎の発育にはあまり良くありません。
しっかり噛むことは、顎の成長を促すためにとても重要です。噛むことで顎の筋肉が鍛えられ、歯並びにも良い影響を与えます。りんごやニンジンなど、硬い食材を使った食事は、噛む力を育て、歯並びを守る助けになります。
お子様には、しっかり噛む習慣を身につけさせるために、いろいろな食感のある食べ物を食べさせてあげましょう。
・姿勢を正す
日々の姿勢も歯並びや顎の発育に影響を与える要素になっています。例えば、前かがみで座ったり、首を突き出したりするような姿勢を長期間続けると、顎に負担がかかり、顎の成長に偏りが生じることがあります。また、姿勢が悪いと口が開きやすくなり、口呼吸を引き起こす原因にもなります。
姿勢を正すことで、顎への負担を減らし、歯並びの乱れを防ぐことができます。理想的な姿勢は、背筋を伸ばし、顎を軽く引いた状態です。お子様が座ったり歩いたりする際に、姿勢に気をつけるようサポートしてあげることが、歯並びを守るために非常に大切です。
■歯並びの悪さが気になる場合は矯正治療を検討ください
矯正治療は、歯や顎の形が成長に伴って変化するため、早期に始めることが非常に重要です。早い段階で治療を始めることで、効果的に歯並びを改善することができます。
適切な矯正治療の開始時期は、一般的に5歳から8歳頃です。この時期は乳歯から永久歯への生え変わりが始まり、顎の成長も活発になるため、早期の治療によって将来の歯並びの問題を予防することが可能です。
・インビザラインでの治療
インビザラインの最大の特徴は、お子様一人ひとりの歯並びに合わせて作られるオーダーメイドのマウスピースを使用し、顎の拡大とともに永久歯が生えてくるスペースを作りながら歯を並べることができる点です。また、取り外し可能なので、食事や歯磨きの際に装置を外すことができ、衛生面でも安心です。日常生活に支障をきたさず、お子様が治療を続けやすい環境を提供します。
当院では、「インビザラインGO全国TOP100医院」および「2023年invisalign GOプラチナドクター」「2024年invisalign プラチナドクター」の称号を持つ経験豊富な歯科医師が治療を担当しますので、安心して治療を受けていただけます。
・顎顔面矯正での治療
通常の矯正治療は、永久歯が生え揃う12~13歳ごろから始まりますが、顎顔面矯正は5~8歳くらいの、早い時期に行う治療です。この治療は、単に歯並びを改善するだけでなく、顎の成長を適切に調整し、顔全体のバランスを整えることを目指しています。その結果、全身にも影響を与える歯や顎の問題を改善することができます。
第一期治療では顎の成長をコントロールし、第二期治療ではブラケットやワイヤーなどの矯正装置を使って、歯の位置を正しく整えます。
・MRC小児矯正での治療
MRC小児矯正は、歯並びに直接働きかけるのではなく、唇や舌、頬などの筋肉の使い方を改善することが特徴です。特に5歳から10歳まで頃に治療を始めることで、顎や顔の骨の発育を正常に促すことができます。この時期に治療を受けることで、将来の矯正治療が軽減され、歯並びや噛み合わせの問題を予防する効果が期待できます。
MRC小児矯正の目標「鼻呼吸の獲得」であるため、MRC矯正だけで改善することが難しい場合は、本格矯正が必要になります。